アフガニスタンで「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(31)が拉致されたとの情報が入った後、日本政府は外務省と首都カブールの日本大使館に対策本部を設置して情報収集にあたった。しかし、伊藤さんの安否をめぐる現地大使館からの情報は錯綜(さくそう)し、一時、「解放」という誤報に振り回されるなどドタバタ劇を演じた。

 山本一太外務副大臣が26日夜の記者会見で説明したところによると、現地日本大使館に「伊藤さんが解放された」との連絡があったのは、現地時間午後3時45分(日本時間午後8時15分)で、「アフガニスタン政府の責任ある当局者」から伝えられた、という。

 この時点で外務省幹部は記者団に「まだ現地日本大使館員が伊藤さんの顔を見たわけではない」としながらも、解放への期待感が広がりつつあった。この約1時間前、「犯人が伊藤さんを拉致して農家に立てこもっているが、警官と住民約1000人が包囲しているようだ」(政府高官)との情報も入っていたためとみられる。

 だが、「解放情報」から1時間後、アフガン当局側から「先ほどの連絡は誤報だった。現在も捜査中だ」と訂正の連絡があり、一転して重苦しい雰囲気に。「アフガン当局は伊藤さんの安否を確認していない」(山本副大臣)ことが判明した。

 山本副大臣が解放情報を訂正するための記者会見を行ったのは、日本時間で26日午後9時40分過ぎ。誤報の原因について山本副大臣は「アフガン政府はできるだけこの問題に対応したいという気持ちで、こういうことになったのではないか」と説明したが、表情には疲労の色が浮かんでいた。

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